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PRODUCTS エディションシリーズについて

商品紹介

マット系…4種類

  1. ①フォトコットンラグ315gsm
  2. ②エッチングコットンラグ315gsm
  3. ③ファブリアーノ・プリントメイキングラグ310gsm
  4. ④ファブリアーノ・アルティスティコ・ウオターカラーラグ310gsm

半光沢系…2種類

  1. ⑤コットングロス335gsm
  2. ⑥フォトバライタ310gsm

全6種類すべて、アシッドフリー・リグニンフリー
コットンベースのモデル(①②③④⑤)のみ、OBAフリー

≪用紙サイズ≫

カット紙A4、A3、A3+、A2

ロール紙432mm(17”)、610mm(24”)、914mm(36”)、1118mm(44”) 、1524mm (60”)

イノーバアートのエディションシリーズは、プロフェッショナルのためのハイエンドのアート紙で、光沢系2種、マット系4種の計6種のモデルがあります。 坪量300g/m2超というリッチな重量・厚みがあり、高級感を醸し出します。印刷面を構成するインク受容層はインク吸収に優れ、高濃度・高発色かつ広い色域を実現し、非常にクオリティーの高い作品をプリントすることが出来ます。

全6種のうち5種(①②③④⑤)はコットン100%のベース素材で作成されたファインアート紙で、テクスチャーの豊富さが特徴です。
マット系はスムースなタイプから銅版画で用いられる緩いラフネスのタイプ、水彩画で用いられるラフネスのタイプで構成されます。
グロス系のコットンもラインナップされています。
また、アート紙の名門ファブリアーノ社のコットンベース素材を採用した製品が2種類(③④)用意されており、プリント作品自体に伝統的な品位を持たせることが出来ます。ファブリアーノ社は1264年 創業の世界的に最も古い、製紙のパイオニア 。ダヴィンチ、ミケランジェロ などの巨匠が愛用し、その品質を高く評価したことでも有名です

コットンベースのモデル(①②③④⑤)には、印刷面を構成するインク受容層には蛍光増白剤(OBA)が入っておりません。コットンベースのモデル5種の印刷面はナチュラルなホワイト(白色度はコットンベースの4モデルとも86)、すなわち幾分黄色側に寄った温かみのあるウォームトーンで、作品に柔らかさと気品を与えます。
コットンベースのモデルに加え、銀塩写真時代からの定番であったバライタベースの半光沢紙「フォトバライタ」(⑥)もラインナップとして用意しております。

マット系

マット系のファインアート紙は以下の4種類です。表面のテクスチャーがそれぞれ異なります。
どのテクスチャーも趣きが異なり、同じ画像を印刷しても作品の雰囲気が異なってきます。

①フォトコットンラグ

最もスムーズなテクスチャー。
ストレートな写真、メリハリの効いた写真、ポートレートなどに向いています。光沢系と雰囲気を変えたい時には最初にお勧めです。非常に滑らかな表面で、繊細なトーンのグラデーションや鮮やかなハイライトに最適です。
定番のテクスチャーなので、イノーバアート初挑戦の方に、お試しいただきたい一品です。

②エッチングコットンラグ

緩やかな凹凸があるテクスチャー。 立体感を活かしたい写真、淡い濃淡を活かしたい写真などに向いています。トラディショナルでソフトな質感の仕上がりが期待できます。

③ファブリアーノ プリントメイキングラグ

イタリアのアート紙の名門・ファブリアーノ社の銅版画向けアート紙をコットンベース紙として採用した自慢の逸品です。緩やかな凹凸があるテクスチャーが魅力で、立体感を活かしたい写真、淡い濃淡を活かしたい写真などに向いています。エッチングラグとはまた異なる独特の凹凸を持ち、アートの雰囲気を作品に持たせたい時にお勧めです。大変上品な仕上がりが期待できます。

④ファブリアーノ アルティスティコ ウォーターカラーラグ

イタリアのアート紙の名門・ファブリアーノ社の水彩画向けアート紙をコットンベース紙として採用した自慢の逸品です。最もラフネスの大きいテクスチャーが特徴で、建物・自然風景などの静物写真に向いております。印刷するだけで、作品にアーティスティックな雰囲気を持たせることが出来ます。大変上品な仕上がりが期待できます

半光沢系

光沢系のファインアート紙は以下の2種類です。

⑤コットングロス

蛍光増白剤(OBA)が入っていない透明なインク受容層を印刷面にコーティングしており、ベースのコットンの色合いをそのまま活かしています。用紙の地色はマット系も含めてウォームトーンですが、コットングロスは最も黄色側に寄っており、他社を含めたコットン系ファインアート紙にはない、コットングロスの最大の特徴です。滑らかで光沢のある、綿の粒のような表面を持つユニークなナチュラルホワイトコットンペーパーです。マット系以上に高濃度・高発色、広い色域が得られますので、濃度階調の豊かな作品に最適です。とりわけモノクロではその威力を発揮します。

⑥フォトバライタ

100%硫酸バリウムで表面コーティングされた写真原紙に、イノーバアートのクリスタルレイヤー・インクジェットコーティング技術を組み合わせたピュアホワイトのモデルです。銀塩時代からプレミアム写真の定番であったバライタベースを使用したファインアート紙で、従来の銀塩印刷に使用されていた紙と同等のデジタル印刷が可能です。
プリントは高濃度・高発色、広い色域が得られ、さらにスムースで白さの映えた面質により細部の高い再現性が得られます。濃度階調の豊かな作品に最適で、とりわけモノクロではその威力を発揮します。

おすすめ

フォトコットンラグ、フォトバライタはフォトで使いやすい定番商品です。
ファブリアーノのアート紙を採用した2つのモデルと、コットングロスは、他社にはない特徴を持ったユニークな用紙ですので、今までとは一味違った印刷をしてみたいと思う方におすすめです。
サイズは、それぞれA4、A3、A3ノビ、A2、ロール各種ございますのでご希望に合わせてお選びください。

取扱説明

  • 印刷面は素手で触れないようにし、傷をつけないようにしてください。
  • 開封した用紙は早くお使いください。未使用の用紙は元の製品箱に戻し、高温・高湿・直射日光を避けて保管してください。
  • 印刷後は一枚ずつ広げて24時間程度、室内において乾燥させてください。
  • 完成したプリントは高温・高湿・低温・屋外・直射日光を避けて、印刷面に傷がつかないように保管してください。
  • 用紙が反っている場合は反りを直してからプリンターへセットしてください。
  • 用紙は一枚ずつセットして印刷してください。

ファインアート紙について

特徴

ファインアート紙は、美術館水準の品質や長期保存性を備えたプロ仕様の特別なインクジェット用紙です。
2000年以降、インクジェット技術の進歩で高品質のデジタルプリントが簡便にできるようなったことにより、写真・アート業界でインクジェットの活用が一気に進みました、ファインアート紙は、芸術作品の印刷において非常に重要な役割を果たす素材です。その高品質な印刷能力と長期保存性により、作品の表現力や美しさを最大限に引き出し、観賞者により豊かな体験を提供します。

美術館水準の品質

非常に高い品質基準を満たしていることから、ギャラリーで展示される作品の印刷や美術作品の複製に使用されます。高いインク吸収性能により、色の再現性に優れており、多種多様なテクスチャにより作品のディテールが細かく表現できます。ファインアート紙は、作品の表現力や美しさを最大限に引き出すことができるのです。

長期保存性

経年劣化に強く、作品の長期保存に適しています。酸性やリグニンを含まない素材や特殊なコーティングにより、劣化や変色を最小限に抑えることができます。そのため、ファインアート紙に印刷された作品は、時間が経っても美しさを保ち続けることができます。

作品の仕上げとしての役割

印刷用紙は、作品の印象を左右する重要な要素です。作品の雰囲気に合わせて、最適なテクスチャを選択して頂くことにより、作品を美しく引き立てます。印刷は芸術作品の最終工程であり、作品を最も美しく仕上げるための重要な役割を果たします。ファインアート紙は、作品を美しく引き立てるためのいわば「花瓶」や「食器」としての役割を果たし、作品の印象をより深く鮮明にするのに役立ちます。

用紙の構造

インクジェット紙は、ベース材にインクの定着・吸収のためのコートティングが施されております。
基本的に顔料インクはコート層にのみ定着するため、コート層が厚いほどインクの吸収性能が高く、高濃度に発色されます。(ベース材はインクの水分のみ吸収します。)
コーティングのレシピ(材料)によって、発色や耐久性、質感が決まります。
ベース材は、コットン紙、写真用ベース、フィルム、布など多種多様な素材があり、用途に応じて選択します。
イノーバアート社はハーネミューレ社やキャンソン社とは異なり、画材メーカーではありません。様々なメーカーからベストなベース材を選定し、コーティングのレシピを考案しております。ベース材の自由度が高いことから、他にはない唯一無二の商品を提供が可能です。例えば、エディションシリーズにはアート紙の名門、イタリア・ファブリアーノ社のコットン用紙を用いたモデルもございます。

長期保存性の3つのポイント

①アシッドフリー(中性紙)

1850年頃よりヨーロッパで工業化に伴う紙需要に対応し、「酸性紙」が出現しました。
製紙工程で、紙のにじみ防止にロジン(松やに)を原料としたサイズ剤が添加され、このサイズ剤を紙繊維に定着させる目的で硫酸アルミニウムが混ぜられるようになりました。硫酸アルミニウムが水分と反応して硫酸を生じ、酸性の性質をもつ「酸性紙」が出現します。しかし、硫酸が紙を劣化させ、20~25年経過後、褪色し崩壊させてしまうため、長期の保存には向きません。

②リグニンフリー

紙の原料となる木材は、25~35%ほどリグニンという物質で構成されております。
リグニンは植物の細胞を結合させ、耐久性を与えるため、植物には必須の物質ですが、リグニンは紫外線で反応を起こし、変色(黄変・茶褐色化)するという特性があるため、白さが必要な高級紙には不適切です。また、リグニンは植物繊維の中に自然に存在する酸であるため、リグニンを含む紙は無酸性ではありえません。

③蛍光増白剤(OBA)フリー

蛍光増白剤はその名の通り、用紙をより白くする効果があります。
そのメカニズムは、300~400nmの紫外線を吸収し、 400~500nmに青色の可視光に変えて放出するというものです。白さを高める目的で、インクジェットコート層に添加されることもありますが、 分子構造が不安定で壊れやすく、経年劣化で黄色みを帯び、用紙褪色の原因となるうえ、カラーマネジメントでは、OBAが多いほど、印刷結果に対するコントロールが困難になるという欠点があります。

種類

画材形

ベース材料に「コットン」を使用し、欧州の画材メーカーが参入しており、伝統的なアナログ美術で使用されてきた版画用紙や水彩画紙にインクジェットコート層を設けたものです。
マットなテクスチャがスタンダードで、主に絵画の複製、さらに写真をマット紙に出力するニーズも高く、写真用途としても重宝されております。
コットンはアシッドフリー、リグニンフリーであるため、長期保存性に優れております。コットン用紙に書き残されたヨーロッパの中世のアートが今日でも現存しているのはそのためです。

写真紙系

αセルロース原紙にバライタ(硫酸バリウム)をコーティングしたものがベースにとなり、、テクスチャは半光沢です。ベースとなるαセルロースは、リグニンを除去したパルプから生成され、アシッドフリー、リグニンフリーであるため、耐久性にも優れております。

和紙系とその応用

ベースに伝統素材の「和紙」を使用しており、和紙の持つ独特な風合いが魅力です。源氏物語絵巻など平安時代からの作品が現存していることからも明らかですが、和紙の原料となる樹皮はリグニンが少ないため保存性に優れております。